尾道 14:15
浄土寺の境内には鳩が群れ集まっていて、なにかの拍子にいっせいに飛び立つ。
その羽音が思いのほか大きくて、鳩が飛び立つたびに集まった人たちは軽く驚く。
九歳と七歳の姉妹は一緒に七五三をする。
子どもは大きくなればなるほど無邪気さが薄れて撮りづらくなるものだが、二人ともよく遊んでくれたので助かった。
それでもすぐに遊びに飽きてしまうのは仕方がない。
慣れない着物でよくがんばってくれたと思う。
浄土寺の境内からは山門の向こうに青い海が見える。
今はそこに薄紅の桜が添えられている。
二人の鮮やかな着物が春の陽射しに照らされてひときわ映える。
次に着物姿で写真を撮るのは成人式だろうか。
あと10年以上先のことだが、意外とその日は早くやってくる。
一年のうちに必ずこういう日がある。
尾道 14:15 本日の撮影無事終わり。九歳と七歳姉妹の七五三。ママが娘に「ちゃんとしなさい」と言ったら即座に僕がちゃんとしなくていいですなどと口答えするからお客さんが増えないのだと思う。だいたい「ちゃんとする」とはどういうことなのか説明できるのだろうか。仮に「ちゃんと」させたところで、子どもににっこり自然に笑ってなどと求めるのは無理筋ではなかろうか。そう思います。
早く飲みたい。