尾道 16:48
一歳の誕生日記念で撮影を依頼いただくことは多いのだが、たいていの子どもは人見知りして、泣く。
それでもあやしたりするうちになんとなく慣れて笑ってくれる。
サイトやインスタには笑った顔しか載せてないから、依頼いただくパパやママは子どもが泣くとは思ってないかもしれないけれど、撮影する赤ちゃんの9割くらいは間違いなく泣きますね。
午前と午後に1件ずつ、一歳の男の子と女の子の家族写真を撮る。
どちらの子にも泣かれたけれど、なんとかなった。
1件目の撮影。
男の子は指しゃぶりをさかんにする。
2ヶ月前くらいから保育園に通うようなったそうで、それから始まったらしい。
写真を撮ろうとすると、やっぱり指をしゃぶるのでそのたびに口から指を出してもらうのだが、またすぐに指を口に運ぶ。
指をしゃぶるときは、およそその子が不安なときに起きるように思う。
環境に慣れて気持ちが落ち着けば自然と少なくなるだろう。
とはいえ、やっぱりパパとママにとっては気になってしまう。
親にとっても初めての子育ては何かしら心配ごとが多い。
親も子も日々の暮らしでそれを乗り越えてゆくのかもしれぬ。
たいへんだと思うけれどもがんばって、と思い僕はファインダーの中の親子を見る。
2件目はスタジオで。
おそろいのTシャツを着てきた家族だったが、女の子はママにぴったり張り付いて離れない。
なかなか重苦しい雰囲気で、パパとママはそういう状況になるとは思ってもいなかったに違いない。
その子が少しずつ慣れて、ママの膝を降り、スタジオの中を歩き回るようになるまで30分近くかかる。
子どもはいつだって大人の思い通りにはならないものである。
だから焦らず諦めず安穏なふりをして子どもにアプローチするようにしている。
写真を撮るのが第一義ではない。子どもが楽しいと思ってくれなければ写真は撮れないものである。
一歳を三ヶ月ほど過ぎた女の子はよく歩く。
小さなスタジオは彼女にとっては狭いから隣の公園でも撮る。
おぼつかない足取りで転びそうになるたびにパパとママは彼女を支える。
でも本当はたくさん転んだほうがいい。そうすれば上手い転び方を知って怪我も少なくなる。
そうはいっても親にとってはやっぱり心配なものなんだ。
これからイヤイヤも始まったりしてたいへんになるかもしれないが、一歳〜二歳にかけての子どもは本当にかわいい。
そのかわいらしさをたくさん写真や動画に撮ってあげてほしいと思う。
山陽本線尾道〜東尾道 16:55 午前と午後の撮影終えて東京へ。GWとあって混んでるのは覚悟していたが、それほどでもないような。