北大阪急行電鉄南北線緑地公園駅 15:28
公園で家族を待っていると、暑い。
季節が嘘をついているのか、今日は初夏の陽気である。
ママチャリの後ろのチャイルドシートに乗せられた男の子がやってきた。前のカゴには真新しいランドセル。
小学校の入学式は一週間後だが、その頃には桜は散っているだろう。
一ヶ月前に妹ちゃんの百日祝いの写真を撮ったときもよく遊んでくれたから、なんの問題もなく彼の入学記念写真を撮れるだろう。
と思っていたのがさにあらず。
ランドセルを背負って桜の花の下に立つ彼は浮かない顔でピースだけしてぜんぜん遊ばない。
なんと「桜がこわい」「草のあるところにいたくない」と言い出して、僕は耳を疑う。
ママも呆れたように彼に大丈夫だよと説得を試みるが、子どもの感情を理屈でひっくり返すのは無理であって、ほかの方法を考えよう。
公園を抜けて小さな川沿いの道に桜並木があったので、そこで撮る。あまり楽しくなさそうだったけど。
桜を嫌がる彼も小学校に通ううちに変わってゆくだろうか。
そんなこと言うてたなあ、と笑って思い返す日がたぶんいつかきっと来る。
大阪府豊中市寺内 15:13 2件目の撮影終わり。六歳男の子の新入学写真。 彼は「桜とか虫が嫌」と言い張って、なかなか思い通りの位置に立ってくれないのを遊びながらなんとか撮り終える。 「(草のあるところ)嫌だからさあ」と言われたらどうすればいいのか。遊んでいるときはまったく気にしてない。