広島電鉄宇品線元宇品口 17:20
陽射しは強いものの暑さはまだそれほどではない。
お世話になっているメイクスタジオからのご依頼で、岡山から来た二人の前撮り。岡山にだって海がきれいなところはあるでしょうと、よく知られた撮影地の名前を挙げたら「めっちゃ地元なんです」と苦笑いして彼が言う。
勝手知ったる地元では、かえって撮りづらいらしい。わかるような気がする。
岡山から広島に来ても海は同じ瀬戸内海。
青い海を背景に二人は楽しそうに笑い合う。仲が良いのだな。
結婚式は9月だそうだ。これから準備で忙しくなることだろう。二人でがんばって乗り越えて、佳き日を迎えてください。
広島港の隣にある元宇品(うじな)というのは少し面白い土地で、宇品島という小さな島なのだが一本の橋で陸続きになったように見える。島というより岬のようで、先端には高級ホテルも建っている。
もともと宇品は戦時中には軍の要衝だったろうし、気軽に住めるところではなかったろう。
今では大きなマンションや真新しい住宅もあり、どことなく湘南の逗子や神戸の須磨あたりの雰囲気に似ている。
それらの海辺の街に共通してあるのは、瀟洒な家や古びた純和風の別荘っぽい建物。
元宇品にもそんな趣味的な家屋が点在しているのだが、空き家になっているのもあったりして、ここに住んでみたいなと思ってしまった。