鹿児島本線小倉駅 14:49
撮影終わって機材を片付ける。
いつも持ち歩くレンズは6本で、今日は内装撮影があるので広角ズームレンズを1本加えて合計7本だ。
あれ?1本足りない。やばい。
さては撮影現場のオフィス内に忘れてきたか。こういうことがありすぎるので何ら不思議ではない。
お礼を言って出てきたばかりの担当社員さんにもう一度会いにゆくのも恥ずかしいし気が引ける……と思っていたら、カメラボディにつけたままだった。
さながら眼鏡を頭に乗せたまま「メガネメガネ……」と探し回る漫画みたいだ。
さいきんこういうことが多くて、余計な気苦労と時間をかけている。なんとかならないものか。
漫画といえば、松本零士氏死去のニュースが出回ったのはつい2、3日前だったか。
氏が少年時代を過ごした北九州市小倉はその所縁から、小倉駅北口に「銀河鉄道999」のメーテルと鉄郎、それにキャプテンハーロックの銅像が立っている。
やはりというべきか、銅像には手向けと見られる花束が添えられていて、写真を撮る人も多かった。
しばらくそこに佇んでいたら、30代と思しき男性から写真を撮って欲しいと頼まれる。
彼は肩をそびやかすようにキャプテンハーロックと並んで立ち、僕はしゃがんで煽り気味に彼のスマホで写真を撮った。きっとファンなのだろう。
ついでに彼に僕の写真も撮ってくれと頼んだら快く応じてくれたであろう。
しかし、ためらってできなかった。
僕は松本零士氏の漫画のファンではない。いや「銀河鉄道999」のコミックだって子どもの頃に読んだことはあるけど、ファンというにはおこがましい。
いつか氏の漫画知って共感できるようになったら記念に写真を撮ればいいだろう。
生半可な「気分」だけでハーロックの隣に立つのは恥ずかしい。
下関市大和町「ラーメンなかむら」で300円のラーメンを食べる。港湾関係者用ビル内の店だが一般人も入れる。 ラーメンの写真を撮ったら、店のおばあさんから「載せんでよね。年寄り二人でやっとるんやけ」と注意される。以前に誰かがバズらせたことがあるのだろう。グーグルマップには載っている。