富山地方鉄道富山軌道線支線丸の内 21:09
北陸の冬の天気は変わりやすい。
挙式が始まる前に新郎新婦の写真を撮っていたら、青空の下で紙吹雪のようにちらちら雪が舞う。
整えられたに新婦の髪に溶けた雪が小さく残る。
挙式が始まる頃には止んで、無事に結んで神社を出るときには灰色の空から牡丹雪が降り始める。
拝殿の戸は開け放たれて、ストーブに火はあるものの底冷えのする空気が満ちる。
きりりと冷たい空気に式の緊張感が混じる。
結婚式は神前式でもキリスト教式でも神の前で誓いを立てるという行為に変わりはない。
「神が合わせられたものを、人は離してはならない」とはキリスト教の結婚式でよく耳にする新約聖書の言葉だけれども、神前式でも同じこと。神前で誓詞を読むから。
新郎は県議会議員を2期務めたこともあって顔が広いことから、披露宴はホテルの一番大きな宴会場がテーブルと人で埋まる。
富山県内自治体の首長さんたちが出席していて祝辞を述べるのだが、さすがに弁舌鮮やかというかスピーチが上手い。まあそうでないと選挙で勝てぬであろう。
そして彼らは非常に声が大きく賑やかだ。政治家というのはとにかくパワフルでないとできない職業なのだなと思う。
披露宴の結びでは新婦もマイクを持って挨拶する。彼女の「夫を支えていきたい」という言葉に来賓が喝采を送る。
妻は一歩下がって夫を立てる。それは昭和世代の夫婦の有り様のようだけども、今を生きる二人が選ぶなら間違いではない。
それにしても彼女のスピーチを聞いていると、政治家に向いてるんじゃないかと思う。
そう思うほど立派な挨拶であった。末永くお幸せに。結婚おめでとう。
万葉線は地元の高岡市が出資している第三セクター。日中15分間隔の運行ダイヤ、200円〜400円まで50円きざみの運賃。非常にわかりやすいし使いやすい。乗車特典のある地元店舗を掲示してたりして、営業面の努力がすばらしい。