芸陽バス三原-本郷線仏通寺 16:41
三原市街から車で30分、趣深い山の谷間に佛通寺はある。
寺のそばを川が流れ、その両側を新緑のモミジが折り重なるように彩っている。
紅葉の時期には大挙して見物人が押し寄せるのであるが、緑の頃に訪れる人がまばらなのは非常にもったいないけど、人は少ないほうがいい。
まだ蝉がいないので、川の流れる音が木立の間から聞こえてくる。心地いい。
両親とともにやってきた二十歳の彼女は緊張しているのか表情が硬い。
佛通寺のご住職が直々に境内各所を案内してくださり、ここで写真を撮れといちいち指示されるのだが、正直撮りづらい。
ご本尊の前で彼女を立たせて写真を撮りなさいと言われたときは心の中でのけぞった。撮ったけど。
彼女も内心びっくりしたというか、なぜそこで撮るのか理解が追いつかなかったのではあるまいか。
貴重な体験であったのは間違いないけれど。
参道の杉並木を背景に長年一緒に暮らした犬と一緒に歩いてもらった。
仏像よりもきっとその写真のほうが彼女にとって記念になる。
