阪和線長居駅 13:18
大人は誰もがはじめは子どもだった。しかしそれを忘れずにいる大人は少ない。
というようなことが『星の王子さま』に書かれていたはず。
実際その通りで、僕だって子どもの写真を撮っているから知っているだけで、子どものときにどんなことで笑ったり遊んだりしていたのかほとんど覚えていない。
冷たい雨がしとしと降り続く公園で、六歳と三歳の姉妹はすぐに僕と遊び始める。
ママは雨に濡れたら子どもが嫌がるだろうと、屋内で撮れるようにわざわざ博物館での撮影許可をもらっていたのだけど、子どもたちは雨を気にするそぶりもない。遊べるところなら子どもはどこでも遊ぶ。
パパとママもおそらく子どもの頃はそうだったはずなのだ。
悲しいかな大人は子ども時代を忘れてしまう。
ちょうど河津桜が咲き始めていて、雨空の彩度の低い公園でそこだけが明るい。
雨のおかげで誰もいないから気にせず遊べる。
二人の女の子もいつか大きくなれば、今日のように濡れながら遊んだ日を忘れて、雨を嫌がるようになるんだろうな。
子ども心を透明なカプセルに入れて閉じ込めておきたい。
山陽本線尾道駅 6:25 小雨降るなか大阪まで。
大阪市東住吉区長居公園 12:41 本日の撮影終わり。七歳と三歳姉妹の家族写真。 雨降りだから親は屋内で撮影しようとするが子どもは雨を気にしない。はじめから公園で遊んでいればもうちょっと撮れただろうに。