尾道 17:19






公園の梅の花が散り始めていて、桃色の花びらが我が家の庭に知らぬ間に舞い落ちている。
 
こないだようやく梅が咲いたと思ったのに、時間が季節を運び去ってしまう。
 


昼ごはんに「サッポロ一番みそラーメン」を食べ続けていたのはコロナが流行る前だった。
 
5個入りパックをいつも常備していて飽きもせず食べていたのが、自分が料理するようになってぱったり買わなくなった。
 
ミチコさんは相変わらず明星食品の「チャルメラ(醤油)」がお気に入りなのだが、昨日「チャルメラ宮崎辛麺」を見つけて買ってきた。
 
初めて作るラーメンは、袋に印刷されている手順をよくよく見なくてはならない。
 
いきなり水の量を適当にしてしまったようだが、なんとかなったらしい。
 
歳を取ると、パッケージの印刷文字が小さくてよく読めなくなってくる。
 
いつも作っているものなら読まなくてもできる。
 
新しいものを試そうという気にならず嗜好が狭まるのは視覚的な要因もあるだろう。
 
 
 
読めなくなるというのは本も同じで、何年も前に時間ができたら読もうと思っていた本をおもむろに開くも文字がぼやけてよく読めぬ。
 
そういうふうになるというのは情報として知っていたけれども、百聞は一見にしかずで、自分で体感すると愕然とする。
 
老眼鏡を買ったら読もうと思ってまた本棚にしまう。 

その本が再び開かれる日が来るのかどうか定かではない。









尾道 17:27 公園上の荒ら屋で市立大学の学生さんが個展をやってる。「不安と私」というタイトルだし、壊れたテレビとビデオテープが置かれてたりしたから、(ホラー小説・映画の)『リング』みたいだねと言ったが、本人は知らないようだった。