東京地下鉄日比谷線東銀座駅 19:53




 
今にして思えばバブルが弾けたあとの就職氷河期に、地方大学文系出身でなんの取り柄もないのによく二社も内定を取れたものだと自分で自分を褒めてあげたい。そのうちの一社は東証1部上場企業だし。
 
十把一絡げのセミナーに始まって、一次二次と、とんとん拍子に面接が進んでゆくのは不思議な感覚であった。
 
もはや面接でどういうアピールをしたのかまるで覚えていないが、内定を辞退した会社相手には将来について尋ねられ、フィッツジェラルドの『グレート・ギャツビー』を引き合いに出して金持ちになりたいと答えたのと、入社することになった百貨店には「銀座という場所についてどう思うか」と尋ねられて、特別な高級な街だと思うと答えたのだけ覚えている。
 
若かったというのもあるけれど、今よりずっと上手に自己アピールができてたように思う。
 

 
今でも就職活動では自己PR文というのが必要になるようで、採用者の印象に残りやすい文章を指南してくれるという学生向けネット配信講座が一般観覧できるというので行ってみる。講師の一人である田中泰延さんによれば観覧予約が2人しかいなくて困っているらしい。
 
 
 
歌舞伎座の後ろが超高層ビルになったのは何年前だろう。
 
たしかアサツーDKの本社ビルも近くにあったよなあと思ったら、10年前に虎ノ門に引っ越していた。移り変わりが激しすぎてついて行けない。

照明がやたらと白いきれいなオフィスビルに入ると、カジュアルな服に身を包んだスマートな男女が行き交っていて、古い昭和な尾道から出てきた男は未来都市に来たような気がする。
 
一日くらいこんなところで働いてみたいなあ。『東京のおしゃれ高層オフィスビルでイケてるサラリーマン(仮)体験』なんてアトラクションがあったらやってみたい。
 


肝心な自己PR文章講座は非常にためになった。
 
配信よりも直に対面で聴くほうがずっと印象に残るような気がするのは、僕が昭和な人間だからだろうか。