空港で搭乗を待つ間に西の空が明るくなってきた。
ベンチに座って仕事していたら、背後をスーツ姿の男たちが数人で「あ、晴れてきましたね」「今頃晴れたっておせーんだよ」などと東京弁でしゃべりながら通りすぎる。彼らも同じ飛行機に乗るらしい。
宮崎空港から離陸するとすぐに海に出る。
東側の窓側席を予約していたが、空いていたので西の窓側に席替え。茜色に染まる空を見ないのはもったいない。九州の山なみに隠れようとする夕陽を眺める。飛行機が高度を上げ続けているせいか、溶け落ちる鉄の雫のような太陽はなかなか沈まない。