尾道 18:16
データの整理と発送作業。
撮影がないときも仕事は待ってくれない。
フォトグラファーという仕事で生活しているくせに、お金をもらわない撮影をしたいと思っているのはおかしいのだろうか。写真が自分の手元に残れば対価はいらないような気がする。まあ、あくまで気がするだけであって、現実はお金がなくてにっちもさっちもいかないのであるけれど。
「とある日」の撮影は無料だが、それはそうしなければ誰もごくありふれた日常の写真なぞ残さないだろうと思うからである。お金につながるようなことはまったく考えていない。自分が撮りたいからというよりも、単なるおせっかいに近い。
どうも僕のやりたいことは、そういうおせっかい的な撮影であるようだ。
今年の夏休み時期に撮ってみたいのが「はじめてのひとり旅」。
この仕事を始めた頃に赤ちゃんだった子が、次々に小学生になっている。そんな子どもたちが初めて自分たちだけで電車に乗ってどこかへ行く様子を写真と動画で撮ってみたい。誰かチャレンジする子はいないかな。
ちなみに僕が初めて親なしで弟を連れて列車に乗ったのは小学二年生の夏休みだったと記憶している。長崎から祖母の家のある北九州まで約4時間の旅であった。電車が好きだったから、さして不安もなく余裕で小倉駅に着いたのだが、祖母にはそれが嬉しかったらしく、近所の人に「この子はひとりで電車に乗ってきた」というのを自慢していたのを今でも覚えている。