東京地下鉄東西線木場駅 9:51
やや肌寒い曇り空の公園ながら、桜が咲いていればそこに人が集まってくる。 花見客を見越して朝8時からの撮影にしたのに、すでにレジャーシートを広げている人たちがいるんですよ。日本人はなぜ花見にそこまで熱心なのか。 二歳の男の子は自分の興味の赴くままに走り回る。目の前でカメラを構える僕の姿は、彼の視界にはまったく入ってない。 もちろん桜の花なんて見向きもしない。彼にとってはつまんでちぎって投げ捨てるものである。 それでいいのである。それが二歳児の魅力です。 彼は落ちている木の枝を拾い上げて走り出す。ママは危ない!と言いながら追いかけるが、パパは「いつもそうさせてるよ」と平然としている。 「そうなの?私が過保護なのかなあ…」戸惑ったようにママは言う。男兄弟のいなかったママには男子の生態がよくわからぬ。 成長するにつれて彼の興味の対象は、アンパンマンから戦隊ヒーローものになってゆくだろう。 今は木の枝を振り回しているが、何年かしたら仮面ライダーの必殺技を繰り出すことだろう。楽しみだなあ。そのころきっとママは悟りの境地に入ってるはずだ。