山陽本線五日市駅 16:23
広島の邇保姫(にほひめ)神社の拝殿には「二品選んでお持ちください」という謎コーナーがあって、ビールや卵のパックのほかに、食器や雑貨がテーブルに積まれている。
祈祷を受けた人は、そこで好きなものを選んでお土産として持ち帰れることになっており、お宮参りを済ませた夫婦は鰹節と卵の10個入りパックをビニール袋に入れる。
ビールを選ばなくていいのかとパパに聞いたら「我慢しました」と答えたのは、産後で飲めないママに遠慮したのかもしれない。
穏やかな春の陽射しを受けた境内はコートのいらない暖かさで、撮影には申し分ないお天気。
赤ちゃんはお腹が空いていたのか、祈祷のときはずっと泣いていたが、ミルクをたっぷり飲ませるとようやく落ち着いて写真が撮れた。
「120ミリリットルも飲ませていいんだっけ?」「わかんない。調べて」夫婦の会話が新米パパママらしくていい。子どもを育てたことのない僕には羨ましくもある。
もっとも育休が明後日で終わるパパは「家と会社のどっちがラクかって聞かれたら……会社やな」と言うから、初めての子育ては想像を超えるたいへんさなのだろう。ワンオペになるママには週一で休日あげたい。
神社からお家に移動して、赤ちゃんの写真を撮る。
リビングのソファの隣には赤ちゃんのおむつを入れたプラスチックのケース。二ヶ月前にはなかったものだろう。
これから子どものおもちゃが少しずつ増え、またその種類を変えてゆくに違いない。
家族の物語が始まったのだ。
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