江ノ島電鉄長谷駅 18:16
撮影終わって江ノ電に乗ったら、窓からちらりと見えた御霊神社の桜に居ても立っても居られなくなって長谷で降りてしまった。
江ノ電に乗るのも数年ぶりだし、たまにはいいだろう。
極楽寺から長谷、稲村ヶ崎、七里ヶ浜にかけては、写真を撮りながら何度歩いたことだろう。20年以上も前のことである。
その頃と家並みがさほど変わっていないのは、特筆すべきことなのではなかろうか。
無粋なマンションなど建てずに、このままずっと保存してもらいたい。
御霊神社の社殿は青い闇の中に沈もうとしていたが、満開の桜だけがあがらうように白く浮かび上がっていた。
コロナのせいか遅い時刻のせいか、境内には誰もいない。
宵闇の中に目の前の光景が溶け込む頃、踏切の警報音が鳴り、電車がレールを走る音を響かせてゆく。
贅沢すぎる春の夜であった。