西武鉄道池袋線石神井公園駅 18:01
中学2年生の少女は、口元をきりりと結んで桜の花の下に立つ。
昨年の中学校入学のときは、コロナのために満足に写真が撮れなかったそうである。
制服姿の写真をきちんと残しておくのは、家族にとっても彼女自身にとっても必要なことだ。
思春期の彼女は、ひとつも嫌な顔も見せずに僕と会話し、ポーズをとる。控えめな笑顔。素直で真面目な子だ。
きっと今日はカメラの前にいるからなんだろう。ふだんの彼女はどんな表情で友達とふざけあったりしてるんだろう。おそらくその表情は、パパもママも知らないだろう。
親には見せない顔。それは自立しかけたその子のもの。撮ってみたい。
15歳以上の子は、保護者なし友達同士での撮影をしてみようか。まだそんな撮影プランはないけれど。
空の明るさが少しずつ弱くなってゆく春の夕暮れ。
今日も無事に撮影を終えられたことに感謝しつつ家路じゃなかったホテル路につく。