沖縄都市モノレール美栄橋駅 10:22
ホテルを出て東京まで。
気温20℃。湿度が高いせいか、通りを歩いているとやや汗ばむくらい。
久しぶりに訪ねた那覇の街を歩くと、記憶にあったあちこちの小さな古い建物があっさり消え去っている。
古い木造の酒屋と古本屋が消え去り、その跡にコンビニらしき建物が建設中であった。その隣にはすでにファミマがあるというのに。
そこに住んでいた人たちの営みはどこに行ったのだろう。人をどこかに追いやって、はたして商売が成り立つのであろうか。
東京行きのスカイマークは定刻より5分早く出発した。
羽田までは約2時間である。機内Wifiがないので、ひたすら仕事をするしかない。とてもツマラナイが仕事は進む。そのほうがいいんだが。
家にいると家事に時間を取られるから、出張中の移動時間は貴重です。
スカイマークに乗ると、コーヒーと「キットカット」の無料サービスがある。
今はそれに加えて乗客全員に使い捨てマスクを配っている。ごく普通の不織布マスクかと思えばさにあらず。マスク自体に「ポケモン」の柄が薄くプリントされているのである。
よほどのアニメ好きでなければ、これを顔に付けるのをためらうのではなかろうか。
羽田に着いて降機するとき、機内通路で小さな子どもを二人連れた家族連れを先に通した。
父親が機首でCAさんに子どものためにそのポケモンマスクをねだる。彼女は2枚渡したらしい。
飛行機を出てから彼が奥さんに苦笑しながら「(CAが)10枚くらい持ってたからさあ、それ全部くれるのかと思った(けど、くれなかった)」と話しているのが後ろの僕に聞こえる。
これ、いります?僕はもらったポケモンマスクを差し出した。振り返った彼が驚きつつも笑って受け取ってくれたのでよかった。拒否されたら悲しすぎる。
「パパぁ、あのひとだれぇ?」家族を追い越し、出口に向かって歩く背後に男の子の声が聞こえる。いきなり声をかけてくる見知らぬ人はだいたい不審者である。