沖縄バス120名護西線松尾 14:24

 
 
  
国道58号線を北上するバスに揺られているうちに雨が降り出した。
 
明日は結婚式の撮影なのだが、すでに雨予報である。なんともならぬがなんとかならぬものか。 


 
名護の白浜ホテルに泊まるのは久しぶりである。
 
早起きすれば那覇からでも明日の仕事に間に合うのだが、そこに泊まりたいがために名護まで来た。 
 
戦後間もない時期に建てられたと思われる、白い木造2階建てのホテルは、アメリカのモーテルのような作りになっている。
 
今までにも何度かブログに書いてるのだが、泊まるたびに何かしら思い出が残る宿はそうそうない。
 
 
 



部屋に入って仕事を終えて、ラウンジでお酒を飲もうとしたら、店主から伊江島のラム酒を勧められた。ストレートでとろりとおいしい。
 
そして、バーベキューするからよかったらと誘われて、よくわからぬままに庭先の藤椅子に座る。
 
フランス生活が長かった彼女は、ウチナー言葉の端々に仏語が出る。それがなんだか小気味よい。
 
入れ替わり立ち替わり、近所の知人友人が来ては一杯飲んでゆく。僕は知らない彼らの会話をぼんやり聞いているだけ。
 
そのうち、だんだん自分が宿泊客という感覚がなくなってくる。なんかしたい。さっきキッチンのシンクに洗い物が溜まっているのを見た。
 
あの、皿を洗ってもいいですか。
 
いきなりの申し出に彼女は目を丸くして僕を見たが、すぐに「いいよいいよー、じゃこれも洗って?」とテーブルの皿を僕によこした。そのゆるさがたまらなく好きだ。
 
キッチンに入り、腕まくりして皿洗い。どんどんシンクが片付いてゆくのが楽しい。なにしろ家で毎日皿を洗ってますのでね。
 
日常のような非日常。心地のいい時間を過ごせた。