尾道 17:07
波もたたない瀬戸内の海は、穏やかそうに見えて潮の流れが速い。
沖の小島で釣り船を浮かべていた老人は巧みにオールを操って、岸に戻ってきた。
じっとしていると凍えそうな砂浜を、東京から来た二人はゆっくり歩く。
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。慈しむかのように二人だけの時間を過ごしている。
なので、あれこれポーズをリクエストするのはやめておいた。
そうしないほうが二人らしい写真になるように思えた。
今日が4日間の旅の最終日だそうである。「あっという間だったね」と言い合う二人にとっていい時間だったに違いない。
記憶はいつか薄れてゆくけれど、思い出はなくならないものである。
撮影終わって肩こりを訴えるミチコさんを御調(みつぎ)町の日帰り温泉まで連れてゆく。
ミチコさんがお風呂に入ってマッサージをしている間、駐車場に停めた車の中で仕事。
夜ごはんの買物して帰って頂き物のウィスキーを開ける。今日もよく働いたなあ。