富士急シティバス須山線下橋 14:53
青空の下に冠雪を抱いた富士山が圧倒的な存在感で鎮座している。
南側の裾野はたっぷりの陽射しを浴びてコートがいらない。
赤ちゃんが生まれたばかりの家には、先住のミニチュアダックスがいて、今はまだ赤ちゃんの存在に戸惑っているように見えるが、いずれ赤ちゃんに追い回されるようになるのかもしれない。
目を覚ましたばかりの赤ちゃんはすぐにうんちをして、オムツを替えてもらうとぐずることもなく、予定通り1時間で撮影を終えられた。
1時間で終われたニューボーンフォト撮影は、すいぶんと久しぶりな気がする。
撮影終わって駅に戻るバスを待っていたら、おじさん二人が乗った白い軽ワゴン車がすいーっと近づいてきて僕の目の前で止まり、ドアが開いて降りてきた。
田舎道のバス停の周りは人影がない。一瞬身を固くしたが、「ちょっとすいませんね」とバス停に貼られた年末年始の運休を知らせる紙を剥がして、車に戻ると走り去った。バス会社の社員さんであった。
今年の正月も終わったのだな。
裾野駅に戻って電車が来るまで時間があったので、かろうじて残っている駅前商店街を歩く。
小さい町ながらも、かつては駅前にひと通りのものが揃っていたと思われる。
金物屋さんに「おぶき 入荷しました」と張り紙があって、「おぶき」を知らなかったのでググったらお仏供(おぶく)で、仏壇に上げるご飯を盛り付ける器のことであるようだ。正月用の商材なんだろうか。
今日のヒットは「大庭写真館」の建物。気づいて、おお……と、絶句して立ち止まる。店頭に飾ってある写真も素晴らしい出来である。上手だなあと感心して、しばし見とれていた。