山陽本線熊山駅 12:40
はじめての赤ちゃんというのはどうしたって特別なもので、パパとママになって6ヶ月の夫婦は我が子のハーフバースデーを祝うためにケーキを用意し、飾りつけを行い、初めての離乳食を食べさせる。
赤ちゃんはもちろんかわいいが、ホームイベントを楽しんでいる二人の様子も微笑ましい。
きっと一歳の誕生日もあれこれ準備してお祝いするだろう。
子どもが赤ちゃんでいられるのは1年しかないから、その成長を楽しんでほしいと思う。
赤ちゃんは眠かったのか、やや反応に乏しいが、人見知りされなかっただけよしとしなくてはなるまい。
あと半年して一歳になる頃には、また様子も違っているだろう。
泣かれなかったので、お家での撮影は順調に済んで、公園でも写真を撮ることにした。
今日も最高気温が30℃を超える暑さだが、木陰は風を感じられていくぶん過ごしやすい。
赤ちゃんは不思議そうにあたりを見回すが、どこまで見えているのだろう。生後6ヶ月の赤ちゃんの視力は0.1程度だという。
世界はまだぼんやりとして、木々の緑に包まれたような感じがするのだろうか。
これから見えてくる世界が素敵なものでありますように。
山陽線の熊山駅前にはささやかな集落があるきりで、多少まとまった町は吉井川の対岸にある。
撮影終わってから、川にかかる橋を渡ってみた。200メートル以上ある長い橋である。
意外に川の水量が多い。たっぷりとした水が流れている。風に吹かれて川面を眺めているのは気持ちのいいものだ。冬は辛いだろうけど。
いつもは電車で通り過ぎるだけの景色だが、歩いて初めて見えてくるものがある。
熊山から尾道にすぐには帰らず、気が向いて反対方面(上り)の電車に乗って三石で降りた。今日は18きっぷだから乗り降り自由。
三石の町を少し歩く。古くからの煉瓦工場がある。看板すらない小さな雑貨屋が一軒だけあって、おばあさんが店番している。
日曜日の昼下がり、三石の町は時間が止まったかのように静かであった。