東京都台東区雷門 17:38
台風一過で一気に気温が下がって涼しくなった。
Tシャツの上からパーカーを羽織って、夜ごはんの買物に出かける。
吾妻橋にあるホテルから一番近いスーパーは歩いて10分ほど、浅草雷門通りにある。
都心のスーパーらしく狭い店内にたくさんの人が集まって買物している。
惣菜コーナーをのぞいてみたものの、うーん、今日はあまりそそるものがない……
あきらめて吾妻橋のほうに戻り、昨日も行ったチェーンの弁当屋を目指して歩いていたら、薄暗い横丁にこれまた薄暗い弁当屋を見つけた。
よくある揚げ物ばかりの下町の弁当屋である。
近寄って中を覗くと、おじさんが一人で店の奥にいるのが見えた。
写真つきのメニューの上に、あいうえお順に印刷されたメニューが貼ってあった。あ、か、唐揚げ弁当……490円。
奥のおやじさんに声をかけて注文すると、店の前でぼーっとしながら出来上がりを待つ。
暗い通りを犬の散歩する人、家路つく人、いろんな人が歩いてゆく。涼しい夜である。
「はーい、お待ちどうさん」低い声で呼ばれて弁当を受け取る。思いのほか時間がかかった。
弁当を持つとずしりと重たい。白いごはんが透明のフタをわずかに持ち上げるくらい詰められている。
唐揚げは注文を受けてから小麦粉をつけて揚げてあるようだ。醤油の下味がよく効いていておいしい。
それにしてもこれでもかというくらいのごはんの量。一合くらいあるのではないか。見た目で若者と判断されたのかもしれぬ。がんばって完食したけど、こんなに米を食べたの久しぶりだ。お腹が苦しい。