京都市左京区岡崎円勝寺町 12:44


  
 
 
 
七五三の撮影。
小春日和の穏やかな日。青空が美しい。
七歳のお姉ちゃんはカメラを意識していて、なかなか自然に笑った顔が写せない。弟くんとの二人写真を撮ろうとすると、こちらの意図を察して手をつなごうとしてくれる。真面目な子なんだろううと思う。
  
平安神宮拝殿前の広場の一隅では、地元の写真スタジオなのか白髪のおじいさんが三脚と椅子を据えてお宮参りの記念写真を撮影している。
椅子に座らせた母親の腰に、大きなウエストバッグのようなクッションを巻いてそこに赤ちゃんを乗せて肩で頭を受け止めるようにすると、祝い着をかぶせても赤ちゃんの顔がちゃんと見えるようになる。母親は無理に赤ちゃんを持ち上げる必要がない。なるほど。この仕事を何十年としているであろう彼の所作は滑らかである。
  
今日の撮影はこの一件だけ。終えたあと、ベンチに座って暖かい陽射しを浴びながら観光客や参拝の人がのんびりと行き交う様子を眺める。「あったかいからみんな日向ぼっこしとる」そう言いながらおじさんが目の前を横切って歩く。