桜井線畝傍駅 15:57
家族写真の撮影。
一歳の弟くんの写真を撮るのがママの目的であったようだが、あいにくの寒さのせいか、笑うことなく泣き出してしまう。コートまで脱いで家族写真を撮ろうとしてくれるのはありがたいことだが、肝心の子どもの機嫌が悪いとどうにもならない。公園を諦めて、ご自宅での撮影をおすすめする。
家の中ではそこそこ笑顔になってくれてよかった。家族でハッピーバースデイの歌を歌い、クリームを顔につけながらパンケーキを食べる彼の写真を撮る。
撮影終えて、駅まで送ってくださるというのをいつものようにお断りして歩く。
初めて訪れる町である。川沿いの朽ち果てた長屋に感動しながら角を曲がると思わず息を呑んだ。古い家並みが続くこの一帯は空襲を免れたらしく、戦前から建っていそうな家が点在している。古ぼけた家の一軒一軒にぞくぞくしながら歩く。僕がお金持ちだったらこの通りを買い占めて、このままそっくり保存したいくらいだ。
ヘンな趣味だと思われてもしかたないが、こういうのが好きなんです。