西鉄バス宗像 宗像大社前 15:23
七五三の撮影。
やや気難しいところのある三歳女の子。拝殿の前で型通りの記念写真を撮るのだが、一人離れてしまう。
とりあえず嫌がる彼女を抱えて両親の前に立たせてから、アンパンマンごっこを強引に始めてカメラに顔を向かせる。なんとかうまくいってよかった。
三歳児だと「ちゃんとできたら飴あげるから」などという釣り言葉や「みんなで写真撮らないと終わらないよ」という理屈は通用しない。ここぞというときは、とりあえず形を作ってからインパクトのあるアクションで子どもの気を引く。
撮影終えて、駅まで送ってくださるというのをいつものようにお断りしてバス停に向かう。
時刻表を見ると、次のバスまで40分以上待たなければならない。寒さをしのぐために、近くにあった「海の道むなかた館」に入る。 宗像市が作った文化施設のようで、ベンチに座って仕事しながら、宗像大社を紹介するテレビの映像を見る。
古代より玄界灘を介して朝鮮半島と結びつきのあった地域らしく、世界遺産の沖ノ島や宗像三女神を祀った神社のことなど、恥ずかしながら何も知らなかった僕には興味深い内容であった。
とはいえ、年末の平日にわざわざ展示物を見ようと訪れる人はいない。建物の中は閑散としていて職員と思しきジャンパーを着たおじさんが二人、することがないのか薄暗いフロアをクラゲのように漂っている。