相模鉄道本線星川駅 16:18
五歳の男の子が着る青い羽織の白い羽織紐は、ふさふさになっていたはずの糸が縮れてしまっている。
神社に来る途中、ずっとそれをいじっていたようだ。
爪を噛む、指をしゃぶる、何かをずっといじるまたは持つというのは、不安な気持ちである証拠だ。撮影を始めようとすると、泣き出してしまった。
「もうかえりたい……」などと子どもに泣かれては、ママは途方に暮れる。
小さな子どもの感情は理屈をいくら並べても変わることがない。
「ちょっとだけがんばろう」とか「これやったらアイスクリーム買ってあげるから」などというセリフはほぼ無意味である。
七五三に早く慣れてもらうしかない。
撮影しているうちに慣れるもので、もともと人見知りしそうな彼も遊んで少し笑うまでになった。
ともかくも着付けや祈祷の予約や会食の手配をして、両親とフォトグラファーを呼んで七五三を終えたママはご苦労さまでした。
おそらく楽しむどころではなかったと思うけど、子どもが笑えばその苦労も少しは報われると思うのです。
横浜市保土ケ谷区星川 16:10 3件目の撮影終わり。五歳の七五三。遊ぼうとしたら僕を無視してママにしがみついて泣く。なかなか上手くいかないものです。