淡路交通三ノ宮-福良線陸の港西淡 17:59
水平線の上、わずかな雲の切れ間がようやく茜色になった。
夕焼けにはほど多いが、それを頼りに二人を撮っていたら、みるみるうちに朱鷺色の光が空にが広がり、冴えた蒼の雲と混じり合う。モネの淡い絵のような海がその光を映す。
これを逃してはならない。二人をもう一度波打ち際に送り出す。そして最後に沈みきる前の太陽が姿を現す。
諦めかけていたのだが、「サンセットの写真を撮りたい」と新婦のリクエストに応えられてよかった。二人をお祝いするかのような夕暮れになった。
5月にお宮参りの写真を撮った夫婦は、今秋に結婚式を控えている。
オープニングムービーで使う動画素材を新婦のスマホで撮影してゆく。
はじめは言われた通りにモニタの赤い録画ボタンを押すだけだったが、ついつい演技指導もしてしまう。なぜなら二人ともほぼ無表情なので。
おそらく二人は精一杯の演技をしているつもりなのだろうが、モニタの画面を見ているとまったく伝わってこない。大げさすぎるくらいの動きでちょうどいい。
これは写真でも同じことです。
二人はとても仲がいい。喧嘩をするのかと尋ねたら、「一ヶ月にいっぺんくらい?」と二人で顔を見合わせて答えるから、それは仲がいい証拠だろう。
フォトグラファーは二人のハレの日がよい天気でありますようにと願うばかり。
少し早いけど結婚おめでとう。
舞子駅隣の「スーパーマルハチ」で夜ごはんを買う。今日のお客さんから「どっか行ったらその土地のおいしいもの食べたりとか?」と聞かれたが、そんなことするわけない。今日も割引シールのついたお惣菜を買物カゴに入れている。