鞆鉄道沼南線常石港 17:20
蝉時雨の向こうに青い海が広がる。
波のない海には夏の暑さが溶け込んでいるような気がする。
6年ぶりに再会した家族は子どもが2人増えて6人家族になっていた。
子どもたちはてんで勝手に動き回るので、それぞれを追いかけて写真を撮る。
9歳から2歳までの子どもたちは、笑うツボも違うから全員をカラッと笑わせるのは難しい。4人を統率するママの苦労がしのばれる。東京から遠く離れた瀬戸内で、楽しい夏休みを過ごしてほしい。
撮影終えて、山腹にあるホテルから造船所のあるほうに下りてみた。
ちょうど夕方5時を過ぎて終業したらしい。巨大な工場から作業員が次々に出てくる。そのほとんどが東南アジア系の人たちであることに、少し驚く。日本人はほとんどいない。
おそらく彼らは出稼ぎなのであろう。いずれは彼の国に帰るのであろう。
しかし、そのうちの何割かは日本に残って生涯生きてゆくかもしれぬ。あと何十年か何百年かしたら、日本も多民族社会になっているだろう。
海を越えた人の流れは今後も変わることがない。逆に日本人が積極的に海外に働きに行く時代がまたやってくるかもしれない。事実、戦前にはそういうことがあった。