愛媛県八幡浜市矢野町 17:55
八幡浜駅から港に通じる道はほぼ真西を向いているから、歩いていると夏の夕陽が照りつけてくる。
30kgもの荷物を提げてぶらぶら歩いているのは何かの修行のようでもあるが、単なる物好きである。
宇和島もそうだったが、八幡浜も古い港町である。古びた建物が残る一角に足を踏み入れるとぞくぞくする。木造の理容室があって西日を浴びている。そのまま映画のロケ地になりそうだ。
このまま街並み保存してほしいくらいだが、少しずつ姿を消してゆくのだろう。住んでいる人はみな高齢者ばかりだろうし、古い家屋を好む人は少ない。
無名の昭和の木造建築物がいずれ価値を持つんだがなあ。
残念なことに、僕は歴史あるものをあっさり壊したり捨てたりする国に住んでいる。
フェリーで大分県臼杵に渡る。潮風がゆるやかに顔に当たる。三日月が海を照らしている。
明日は北九州にある祖父母の墓参りをしようと思う。