与論空港 13:42
昨日の晴れ間がいかに貴重だったか。朝は小雨が降ったりやんだりの天気。
宿の部屋から見える畑では小学生くらいの子どもが三人、水を撒いたり畝の溝を踏み固めたりして畑仕事を手伝っている。今日は日曜日だから学校は休みだ。
宿には長期滞在しているらしい男たちがいて、朝から缶酎ハイを開けている。おそらく島内のどこかの工事現場で働きに来ているのであろう。
休日は暇を持て余しているとみえる。小さな島の中で遊びに行くところもないだろうし、釣りぐらいしかやることもない。
宿は古い木造の2階建てで、1階にはロビーというか居間というかテレビのある部屋があり、彼らはそこで酒を飲みタバコをふかしながらだらだらと時間を過ごしている。
那覇からの飛行機が昼頃に到着すると、若い女性二人が「ごめんください予約してたんですけど」と入ってきた。
さっと居間の空気が変わって、男たちの視線が彼女らに注がれるのがわかる。すぐさま一人が立って玄関に出て行き、気さくな感じで「僕らも泊り客なんですよー」と話しかける。
宿のおばさんは離れた自宅で昼ごはんを食べているらしい。男は「案内しますねー」と彼女らと一緒に出て行った。
シーズンオフだから観光客は少ない。僕と入れ替わるようにして宿泊する彼女らは、男たちの好奇心の的になるのだろうか。楽しい滞在になればいいけど。
午後1時過ぎ。鹿児島からの便が到着して折り返す。
自分の意思ではなく仕事で呼ばれて来たから島を離れるのに未練はない。また来ることがあるだろうか。
鹿児島行きの飛行機は、来たときよりも座席数の多いATR72であった。
離陸した飛行機はすぐに雲の中に入ってしまう。
プロペラ機なので飛行高度は3000メートルほど。ほぼずっと雲の中を飛んでて何も見えない。
惣菜コーナーで小さな子ども二人を連れた若い夫婦が、「これ(得用パック)ひとつ買って分けようか」などと仲良さそうに今夜の食事についてしゃべっているのを見ると、いいなあと思ってしまう。その光景を撮りたいのだけど、無理だよねえ。