尾道 13:50
昼間から小雪が舞う寒さ。
尾道でも山間部へ行けば積雪もあろうが、瀬戸内海に近い家の周りで雪が積もることはめったにない。
石油ストーブを点けていても部屋の温度が上がらないので、エアコンも稼働させる。こういう日が一年のうちに数日ある。
とにかく古い昭和の木造長屋には断熱材というもがまったくなくて、暖房を止めたとたんに一気に室温が下がる。
福岡にアン・クレシーニ(Anne Crescini)さんという人がいて、大学の先生をやっておられるのだが、彼女が日本家屋の耐え難い寒さについてブログを書いていた。
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柳田邦男の『マリコ』という小説に、戦時中日本人外交官と結婚したアメリカ人女性が日本に来て、暖房器具が火鉢しかない冬の日本家屋の寒さに閉口する場面を思い出す。
他の国から来た人にとっては、断熱という概念を軽んじてきた家の作りに驚くのであろう。
とても共感できる。その通りである。
しかし私たちは(北海道以外の)日本家屋の冬の寒さというのはこいうものだと、なかば諦めのような気持ちでいるのでやり過ごせるのだろう。
慣れてないとやはりこの屋内の寒さというのは辛いだろうなあ。あとはどれだけ暖かく過ごせるかという知恵比べ。
根本的な問題解決(断熱)をしないで、小手先の解決方法に頼ろうとするのも日本人らしいものの考え方なのかもしれない。よくはないけど。
この寒さの中を、新しい車を引き取りに車屋さんに行ってきた。
車屋さんは尾道市街から北へ20分ほど走ったところにあって、周囲は山に囲まれている。
新しいワゴンRと並んだ初代モデルのワゴンRは古びているが、10年近く乗っただけに愛着がある。中古車として売りに出すことはなく廃車にするそうだ。
フロントガラスのワイパーのあたりにはうっすらと白い雪が残っていた。