尾道 16:01
水木曜日はミチコさんのお店は休みなので、ミチコさんサービスするならこの日しかない。
尾道から車で北に30分ほど走ると御調(みつぎ)という町に着く。
ミチコさんはそこの日帰り温泉でやっているマッサージをするために、僕が運転して連れてゆく。
もちろん温泉にも入るわけで「ビール飲んじゃおっかなー」などと言っているが、ビール飲んでマッサージはしないほうがいいと思う。
僕は朝にシャワーを浴びてるから風呂に入らなくてもいいし、肩も腰も痛くないからマッサージしない。だからミチコさんの完全なる「アッシーくん」である。(アッシーという言葉も今では死語か)
ミチコさんが風呂に入っている間、施設のロビーのベンチに座って仕事する。
テレビの前にはソファがあるが見てたら仕事できないし、平日午後のテレビ番組が面白いわけないので、仕事はまあまあはかどった。
帰り道は結婚式を撮ったパティシエさんのお店に寄ってケーキを買い、スーパーで買物して家路につく。
尾道は夕立が降ったようで路面がところどころで濡れている。雨上がりの空が美しい。
なんてことのない一日だから、たぶんすぐに忘れてしまうだろう。
人生のほとんどは忘れ去られる日々でできている。
忘れないとやっていけないけれど、取るに足りないような一日が実は貴重なのだと誰かの歌で聴いたような気もするから、とりあえず僕は写真を撮っている。