赤穂線西大寺駅 13:42
西大寺に行く日はいつも寒い。今朝はマイナス2℃まで下がって薄氷が張った。
初詣の時期も終わり、平日の境内は人もまばらで、吉井川の土手で騒いでいる男子高生の声がよく響く。
年明けに真言宗のお寺を訪ねて祈祷を受けるというのを、かれこれ20年以上続けていて、今年も無事にお参りできるのはありがたいことだ。
祈祷を予約しようと電話したら、女の人が早口で「はいカンノンインです」と出て、西大寺は別名観音院というのか。
ちなみに奈良にも同名の西大寺がある。
祈祷が終わったあとに昼ごはんを食べようと、近くにある地元のラーメン屋の前には行列ができていて、チェーンの定食屋に入る。
カフェテリアのようにセルフサービスで、一品料理を自分でトレイに乗せて会計してからテーブルに運んで食べるスタイルの店である。
ミチコさんは好物である鯖の塩焼きと唐揚げを選び、大盛りごはんと味噌汁をつけて、いたく満足して食べる。
僕はといえば、ご存知のように昼はラーメンや蕎麦一杯で十分で、あえてあれこれ食べたいとも思わないし、なんなら昼ごはん抜きでもいい。
「つまらんやつじゃ」とミチコさんは呆れたように言うが、定食屋に入ったからといって胃袋が大きくなるわけではない。
隣のテーブルにいたおばあちゃんが、同じラーメンにおかずを二品をつけて食べていて、僕より食べるんだなあと感心してしまう。
夜ならお酒飲みながらたくさん食べられるんだけど。
ミチコさんは鯖と唐揚げをぱくぱく食べてごはんが足りないと言い出すが、おかわりするにはもう一度列に並ばないといけないから、しかたなく諦める。
おいしく食べられるのはいいことだ。
祈祷をしてくれたのは初めてお見かけするお坊さんであった。
いつも仏前で夫→妻の順番で名前を読み上げられるのだが、どういうわけか今回はミチコさんの名前が先に読み上げられる。
間違えたのかなと思いつつ、終わってお札をいただきくときに「ごきょうだいですか?」と尋ねられて合点がいった。姉と弟だと思われたのか。
「なんだか似てたもんで」彼は少し慌てたように弁解したが、二十年経つと似てくるものなんですかね。
尾道 6:51 夜明けの三日月と金星。