山陽本線糸崎駅 8:35
能登半島の地震、羽田の飛行機衝突と立て続けに社会を揺るがす天災と事故が起きて、これほど落ち着かない年頭は経験がない。
今日は何も起きませんようにと祈るばかりだが、北九州小倉の繁華街で大規模火災が起きる。
従妹が小倉に住んでいて、その夜にその付近に出かけて食事をしたのだが、ビルの向こうから噴煙のような白い煙が上がっていて、鎮火はしたものの、その煙の量は相当なものであった。
家族とその煙を見上げて、なんだか現実感がない。早々に店を失った個人店も多かろうに。
小倉では有名な旦過市場が昨年2度も火災を起こしていて、今日の火災と合わせて街の中心部はどうなってしまうのかと思う。
平穏無事な日々であってほしい。
尾道から山陽線で8時間近くかけて小倉に来たのは、従妹の子どもたち三人にお年玉を渡すためである。
彼女は一人っ子だったので、子どもたちにとっての叔父叔母がいない代わりに、従兄である僕がなんとなくそういう立場にある。
子どもたちにとって、正月の密かな楽しみはなんといってもお年玉であろう。
自分自身が子どものときがそうだったから、今の子どもたちにもそうであってほしいと思う。
昨今は正月に親戚周りをすることも少ないから、必然的に子どもたちがお年玉をもらう機会も減っている。
だからとくに用はなくとも行って、お年玉を渡す。
従妹の長女は高校三年生で、進学先も決まって悠々としている。
卒業したら髪を染めてピアスを開けて免許を取りたいらしい。
やりたいことがありすぎて、人生で一番楽しい時期だろうな。
彼女が18歳ということは、僕がサラリーマンを辞めた年に生まれたんだっけ。
ようやく写真の仕事を始めたときによちよち歩いていた小さな子が一人暮らしをしたいと母親に話していて、いつの間にそんなに時間が経ってしまったのだろう。