東海道本線米原駅 14:26
電車が米原に近づくと窓の外が白いシーツを広げたように明るくなる。一面の雪景色である。
三日ほど前だったか名神高速が大雪で車が立ち往生して自衛隊まで出動したようだ。
2年前は東海道線がやはり大雪で動けなくなり、電車内で一夜を過ごした人もいた。
米原あたりは日本海側から抜けて来る雪雲で大雪になりやすい。
幸いにも僕はまだそんな大雪に遭遇したことがない。雪で電車が止まって仕事に穴を開けたらたいへんである。
電車にはいろんな人が乗っている。
運転席の後ろにくっついて、ずっと前方を凝視している人はよく見かける。
自分もたまにその一人になります。
気になるのが、二人ずつ前向きに座る新快速のような電車や新幹線で、座席に座るなり窓の日除けを目一杯下ろしてしまう人である。
陽射しが入るのを防ぐためではない。曇りでも、夜でもそうする。
窓の外から自分を見られないようにして、スマホを見る。
周囲から隠れるようにするのは、人目を気にせず自分だけのプライベート空間を作りたいのだろう。
気持ちはわかる。
わかるんだけど、かえってその人のことが気になってしまう。
僕は電車の窓から景色を見たいから。
黄昏の車掌氏。