芸陽バス広島大学線広大中央口 13:02

 

  
 
 
お食い初めの撮影を依頼いただいたとき、まことに失礼ながら初めてのお客さんだと思っていた。
 
しかし、ホテルに入ってきた夫婦を見たら「お久しぶりです」と声が出た。4年半前、尾道でエンゲージメントフォトを撮った二人だった。雰囲気もあまり変わっていなかった。
    
「家ではものすごい声で泣くんですよ」とママは言うが、生まれて百日目の赤ちゃんはご機嫌で、ちょっとあやすと笑ってくれる。赤ちゃんの写真を撮るために個室のダウンライトを消させてもらったり、西条HAKUWAホテルさんにはお世話になりました。
   
会食が進んだ頃、パパとママが赤ちゃんを抱いて彼らの両親のところへ見せに行く。食事の場面だけでは写真になりにくいなあと思っていただけに、この「挨拶回り」はよかった。
  
父親はおぼつかなく赤ちゃんを抱っこし、母親同士は「(パパとママが)赤ちゃんの頃どうやってたかなんて忘れましたよねえ」などと言い合っている。子どもが生まれると、節目ごとにお祝いがあっていいものだ。
 
 
撮影終えて帰りのバスを待つ。広大のキャンパスは、ちょうどセンター試験の真っ最中なのか、とても静かだ。
 
あたり一面柔らかな陽射しに包まれており、昨日、凍るように寒い札幌にいたのが嘘のような小春日和である。問題なく仕事を終えたあとは気持ちが平板で、ただ目の前の平凡な光景をなだらかな気持ちで眺めている。