北都交通新千歳空港連絡バス円山線円山ターミナル 14:56








 
風が吹くたびに木立に積もった雪が粉のように舞い、空からは新しい雪片が絶え間なく降り注ぐ。

円山公園の入口にある温度計はマイナス2.7℃を表示している。昨日より気温が高いとはいえ、寒いことには変わりない。カメラを持つ指先の感覚が冷たいというより痛い。
 
お宮参りに来た赤ちゃんは寒くないのだろうか。泣きもせず観念したような表情でじっとママに抱かれている。もうすぐ五ヶ月になるという。
  
すでに寝返りできるようになっていて、ご自宅で仰向けの写真を撮ろうとすると、すぐに動いてしまってなかなか撮れない。活発な子になりそうだ。
 
それにしても、パパとママの結婚式から1年半前経って、また札幌に呼ばれるとは思いもよらなかった。赤ちゃんが運んでくれたご縁である。すくすく育ってほしいと願う。
 
  
撮影終わって円山バスターミナルから新千歳空港行きのバスに乗る。
 
地下鉄で新さっぽろまで行き、JRの快速に乗るほうが早く着くが、信号トラブルなのか千歳線が動いていないようだ。札幌駅は今頃殺気立っていることだろうなと思う。円山公園の近くでの撮影だったのが幸いであった。円山公園始発の空港行きバスは一時間に1本ずつ。
 
定刻に発車したバスは札幌の市街地南部を通り、雪の中、屋根もないバス停で辛抱強くバスを人たちを拾ってゆく。みなバスが少々遅れても文句のひとつもなく、安堵の表情を浮かべてバスに乗ってくる。
 
彼らを見ていると、冬でも穏やかな瀬戸内で暮らしているのが申し訳ないくらいだ。すいませんこれから僕は尾道に帰ります。