山陽本線尾道駅 11:11

  
 
 

尾道から西に向かって旅に出るときは、東に行くよりなんとなく心が軽い。
都会が広島か福岡(あと北九州)だけだからだろうか。都会は人の多さがなによりストレス。どうも性格が田舎志向になっている。

 
白市で岩国行きを待っていたら、新型の227系ではなく、4両編成の115系電車がやってきた。
今春3月のダイヤ改正を機に、国鉄時代から走っている115系電車は広島地区から姿を消すらしい。
 
長崎に住んでいた僕が下関から岡山行きの電車に乗ったのは中学生の頃であった。当時は岡山〜下関を6時間以上かけて走る長距離普通列車が何本もあった。
 
その頃から親しんだ115系電車が見られなくなってしまうのは、なんとなく寂しいものだ。岡山や山口地区ではまだ走っているが、それもあと何年続くだろうか。
 
世界を見回しても、製造から40年近く経った今でも現役で走り続けている車両も少ないだろう。車だったらビンテージの部類に入りそうだ。日本という国が遅れている証左かもしれないが、古きものが残っていると安心するものである。
 
 
もうすぐ大寒だというのに、今日は暖かい一月の夕暮れである。ひとつ一つ駅に停まっては、帰宅する高校生を乗せて降ろして電車は進む。いつもより車内で勉強している生徒が多い気がするのは、もうすぐ受験シーズンだからだろうか。
 
男子なんか思い思いに足を投げ出したりしてだらしなく座ってたりするけど、進学して都会に出たら、こんなゆったり座れる電車がすごーく贅沢なんだと思い知るだろう。