日豊本線別府駅 15:07



 
 

 
北九州に住む従妹の子どもたちにお年玉を渡して、今年の正月ミッションをすべて終えた。
 
前にも書いたけど、僕がもらっていたのと同じ金額が入ったポチ袋を子どもに渡すのは、日本経済がこの30年間停滞し続けていることの証明でもあって、大人としては若干恥ずかしい。
 
お年玉は増えないのに、大学の授業料が30年前の1.5倍になっているというのは、日本という国が教育という若者の富を収奪していることに他ならぬ。こんなんでは、少なくともこの先半世紀は国力が衰退するばかりであろう。
 
  
とはいえ、経済が伸びないからこそ、僕が好きな古い電車が残っていられるのかもしれない。別府から乗った佐伯行きの列車は昭和54年製造の415系電車であった。
  
別府で降りたのは、普通列車の乗り継ぎ待ちが40分ほどあったためである。
 
日豊線の高架下には「べっぷ駅市場」がある。大人が横に3人並べばふさいでしまいそうな細い通路の両側に魚屋八百屋肉屋に混じって惣菜を売る店が何軒かある。今日の晩ごはんはそこで調達。
   
しかしお昼をとっくに過ぎており、店先には残り物しかない。
   
早くも店じまいをしかかっている揚げ物屋で唐揚げを四つくださいと言ったら、前掛けをしたおじさんは黙って二つ三つ余計に容器に詰め込んで、ぶっきらぼうに「はい二百円」と言うから、やはり来てよかった。
 
小さな市場ゆえか、観光客の姿はほとんど見えない。
  
乾物屋の前を通りかかったら、おばさんが「お兄さんすごい荷物だねえ!」と驚きの声を上げた。「コロコロ(キャリーバッグ)は使わないの?」いやあれはどうも苦手で。
  
「今は若いからいいけど、腰悪くするよ」と心配してくれるから、「焼きあなご」と「鯛スティック」を買ってしまったけど、これ、家まで無事に持って帰れるのか。
  
 
 
佐伯から延岡までは普通列車がないから特急に乗り換え。すでに日は暮れてあっという間に車窓は真っ暗になった。過ぎ去る灯火がほとんどない山の中を抜けて延岡に着く。冬休みは終わったというのに、大きなキャリーバッグを提げた若者たちが降りてゆく。明日は宮崎県での成人式があるらしい。