尾道 16:24


 
 
 
元旦は日の出が拝めたらしい。
起きると朝陽が部屋の中に射し込んでいた。
 
昨夜は近所のお寺で除夜の鐘を撞いて帰り、寝たのが1時過ぎだったせいで眠い。

眠いのに朝からお酒を飲んでおせちを食べるからさらに眠くなる。昼間は仕事しようと思っていたけど、今年もやっぱり無理でした。
 
 
尾道の山手にはお寺が多い。大晦日の夜11時を過ぎると、遠くから音色の違う除夜の鐘が流れてくる。
 
家のすぐ近くにある持光寺へ行き、集まった人たちと代わる代わるに鐘を何度も撞く。
 
年が明けたら住職の説法を聞いて、本尊の阿弥陀如来像の周りを念仏を唱えながら3回歩いて回り、お守りをいただいて帰るのである。
 
これをしなければ気分が出ない……というわけでもないけれど、尾道に住み始めてから毎年変わらない年越しである。
 
 
 
本堂に集まって聞く説法で、浄土宗である住職は阿弥陀如来にすがって生きなさいと言う。
 
人生では自らの努力だけでは成し得ないことがあるわけで、それを仏にお願いするために念仏を唱える。本来の意味での他力本願である。
 
フリーランスのフォトグラファーというなんの保障もない僕が無事に仕事を続けられるのも、見えない力が働いているからであろう。今年もそれを忘れることなく過ごしてゆきたい。
 
 



朝から三合飲んだら眠くなるのは自明。