山陽電気鉄道網干線広畑駅 12:34
姫路駅から50分ほどバスに揺られ、さらに10分ほど歩いてたどり着いた小高い山の麓にある神社は、なかなか趣深い佇まいで、新緑もよいが晩秋の頃に訪れたらさぞかし美しいだろうと思う。
車で拝殿の近くまで上がれるのだが、お宮参りに来た家族は山門の脇に車を停めて、参道を歩き階段を登る。
今日でちょうど生後1ヶ月の赤ちゃんはぐっすり寝ていて、二歳のお兄ちゃんは我関せずと歩き回る。
赤ちゃんだけなら苦労はしないのだが、じっとしていないお兄ちゃんの気を引きつつ家族写真を撮らねばならず、ママの思い描いていた通りの撮影になっただろうか。
参拝のあと自宅に戻って、赤ちゃんだけの写真を撮る。
赤ちゃんは起きて泣かれずにすんでよかった。1ヶ月だとまだ笑ったりしないが、起きているほうがいろんな表情が見られていい。
帰り際いご近所の有名なパン屋さんのパンをお土産にいただいた。ありがとうございました。
撮影終わって尾道に帰る。
30分歩いて山陽線の英賀保駅まで行くか、近くを走る山陽電車で姫路に出るか、少し迷って山陽電車に乗る。網干線に乗ることもそうないだろうし。
付近は昭和の佇まいを残す寂れた街並み。人はあまり歩いていないが、商店街には個人商店もそこそこ残っていて、興味を引く。
真夏の炎天下にさまよい歩いたら、くらくらするほど楽しいだろうと思う。
播州赤穂行きを待つ間、姫路駅ホームのベンチで仕事していたら、おばあさんが空いてるベンチはないかと探してるふうだったので譲る。ちょうど網干行きが来たのでそれに乗り、網干駅のベンチで仕事の続き。
すると、精算機のインターホンで傘だけ持ったおばあさんが係員と話している。駅にバッグを忘れたから探してほしいらしい。
「すぐ来てくれんか」とおばあさんはインターホンに向かって言うが、その相手は遠く離れたコールセンターのような場所にいる。
係員は今の時間なら改札口に駅員がいるから、そこに行くように説明するが、半ボケのようなおばあさんには通じない。「はよう来てや、待っとんのや」
まったく話が噛み合っていないので、見かねておばあさんの手を強引に引いて改札口まで連れていった。このおばあさんバッグを忘れたらしいですよ。
駅員にバトンタッチして、仕事しながら様子をちらちら見ていると、対面でもあまり話が通じ合っていないようだ。「この紙に名前と電話番号書いてください」と駅員が言うが、電話番号を思い出せない様子である。
どういう経緯で駅の改札内に入ったのかわからぬが、おばあさんは認知症で徘徊中なのではなかろうか。
さすがに駅員もお手上げの様子で、切符も何も持ってなさそうなおばあさんを改札外に出すと、おばあさんはなんでここにおるんかのう、というような顔をしてどこかへ行ってしまった。
50分バスに揺られて到着。余部駅前から乗ればよかったかもしれない。
だだっ広い殺風景な駅にキバナコスモスが揺れる。