西武鉄道池袋線ひばりヶ丘駅 12:56
タイミングよく雨もやんで、家の近くの公園で家族写真を撮る。
ママがさかんに「薄暗いんです」と言うだけあって、小さな公園の周囲は木立で囲まれて陰になっているけど、写真を撮るときに場所の明るい/暗いはあまり影響がない。
隅っこに草むらがあってよかった。一歳の女の子を座らせれば緑の草原のように写ります。
今日は彼女の初めての誕生日である。
一歳というのは特別なもので、彼女には祖父母親戚両親からのプレゼントが手渡される。
おしゃれな子ども服や、音の鳴る絵本など。でも彼女が一番気に入ったのは、パパが買ってきたアンパンマンの小さなおもちゃ。パパはこれが(今日のプレゼントの中で)一番安いんじゃないかと言う。
「子どもってみんなアンパンマンが好きなんですか」とママが聞く。あの形と色がなぜ子どもの心を掴むのか不思議でならない。やなせたかし先生は偉大である。
イベントは選び取りに寿司とケーキと一升餅。みんなで大騒ぎして女の子は泣きながらひとつ一つこなす。一歳の誕生日らしくていい。
寿司は本物ではなく、丸めたごはんの上にトマトやにんじんをネタに見立てて乗せたもの。ママががんばって作ったのだが、彼女はごはんだけ食べて細工されたネタの部分は床に投げ捨てる。ママはしょうがないよねと諦める。
一升餅は鏡餅ではなくて、星型やハート型に加工された餅の詰め合わせ。立派な化粧箱入りでママの母上が持ってきた。口ぶりからすると値が張るものらしい。母上もずいぶん気合が入っている。
一歳の誕生日は子どもよりも大人のほうが嬉しいのだ。
選び取りもひと工夫されていて、女の子が選んだカードの裏にはこれまたアンパンマンの絵。パパの希望でヒーローになってほしいという意味らしい。
どんな子になってゆくだろうか。
まだ見ぬ未来だが、やがて確実にやってくる。楽しみでならない。誕生日おめでとう。