山陽本線福山駅 16:09
初夏である。外は暑い。
「布団のような」と形容される重たい色打掛をまとった花嫁と、おとなしい花婿は眩しいばかりの芝生の上で笑い合う。
福山のメイクスタジオからの依頼で、結婚式をしない二人の結婚写真を撮る。
新郎新婦はみなそれぞれで、ひとつとして同じ撮影はない。
中学生時代からの同級生という二人にとって今日の写真はどういうふうに残っていくんだろうか。
10年後、20年後、そのつど見返してそのときの気持ちを思い出せるのが写真のいいところだ。
ふだんほとんど喧嘩しないという仲の良い二人である。いい思い出になてってくれたらいいな。
朝はバタバタしていた。
起きてメールチェックして、Macのアプリであるカレンダーを開くと、あったはずの仕事の予定がランダムに消えていた。
ざっと見て8割くらいの予定が消えていた。これは一大事である。
どういうわけでそうなったのか皆目見当がつかぬ。
対処方法をぐぐっても、それらしいのがヒットしない。
しかたがない。先月末にカレンダーデータを書き出して、ネットに接続していない別のMacに移していた。それに今月入った新規の撮影案件を手作業で追加して復旧させよう。
幸いそんなに数が多くなかったので（それも困るが）、新しいカレンダーデータを作って保存し直すことができた。余計な仕事であった。
撮影時のトラブルは困るが、その後のハード機器やソフトウェアのトラブルも困りものである。
それにしても直近のカレンダーデータを保存しておいてよかった。バックアップはほんまに大事である。
