井原鉄道井原線三谷駅 13:06
大人にとってはいつもと変わらぬ週末も、子どもにとってはもうすぐ終わりの夏休み。
宿題は済ませたのだろう。八歳の男の子は「暑い」を連発しながらも陽射しの下で遊び続ける。大人は遠くの日陰から眺めるだけだ。
小高い丘の上にある公園には家族連れが集まり、ひととき遊んで帰ってゆく。この暑さの中ではせいぜい2時間くらいしかいられまい。
彼はもうパパやママより、友達と一緒に遊ぶほうが楽しいのだろう。撮影が終わったら友達が合流するという。
ひたすら遊んだあと、お弁当に持ってきたおにぎりを一心不乱に頬張る彼を見てると、子どもの生命力に感心する。
毎日体を目一杯使って遊ぶ夏休み。それは子どもの特権だ。
家族とさよならして駅まで2km歩いて戻る。
青々とした田んぼの中を歩き、昼下がりの小さな集落を抜ける。通る車もなく出歩く人もいない。
森閑とした夏空の下を汗をかきつつてくてく歩く。
いいじゃないか。旅ってのはこういうのでいいんだよ、こういうので。