東海道本線米原駅 19:02
駅のホームでは実家で夏を過ごしたらしい家族が、見送りにきた祖父母に手を振っている。
お盆は今日まで。またひとつの夏が終わるのだなと思う。甲子園もそろそろ佳境に入る頃。日本の夏の風物詩。
青空と緑に輝く田んぼを眺めながら電車は走る。
77年前もこんなふうによく晴れて暑かったらしい。
終戦記念日と称しているが実際は敗戦記念日であって、この国ではよくあるあいまいな言い換えであろう。
敗戦と呼ぶと、誰のせいで敗けたのだということになる。なんとなく終わったということにしておきたいのかもしれない。
玉音放送でも、天皇が政府にポツダム宣言を受け入れるように「通告」したという文面だし、戦争の責任の所在は天皇なのか政府なのかはっきりしない。
なんとなくあいまいにするのが我が国の悪いところではあるけれど、それがいいというか便利なときもあると思うから、僕は住んでいるこの国が好きだ。
今日は幸い夕立にも降られず、新快速は順調に走って米原に着く。
あとは豊橋行きの新快速に乗れば、大垣での乗り換えもなく名古屋まで約1時間。
尾道からたったの8時間で着いてしまうから、名古屋は近い。
山陽本線尾道駅 12:07 名古屋まで。ホームから改札口の祖父母に手を振る家族がいる。この時期の風物詩的な光景。