外房線安房鴨川駅 13:24
炎天下、海沿いの国道から一本陸寄りの旧街道を歩くと、警備員の制服を着た人が100メートルごとに立って赤い棒を振っていた。
狭い道に次々に車が現れて、空き地のような駐車場に入ってゆく。
駐車場の立て看板を見たら「P 鴨川シーワールド」とあって、臨時の駐車場に車を誘導しているのだと知る。
夏の休日ともなれば、それだけ多くの人が房総半島の先までやってくるのか。
書き入れ時だから忙しい。「そっち3台まわすよー」「了解」警備員同士でやりとりする無線の声もやる気にあふれてる感じがする。
真夏の立ちっぱなしの仕事はたいへんだ。
ホテルの中に一歩入れば涼しい。
約束の時刻10分前に着いたのに、お食い初めの会食をする家族はさらに早く着いていたようで、ラウンジで手持ち無沙汰に座っている。
常々お客さんにはお願いしているのは、お宮参りや七五三ではできるだけ撮影時刻ちょうどに来て欲しい。
「待ちくたびれる」というように、たとえ10分であっても待つ時間というのは長く感じるものである。
とくに小さな子どもはじっと待っていられないから、撮影を始めるときには飽きてしまっていたりする。
四歳のお兄ちゃんが遊ぶでもなくラウンジの中をうろうろ歩き回っていたので、まず一緒に遊ぶ。
「赤ちゃんは(撮らないんですか)?」とパパに言われるが、お兄ちゃんと仲良くなるのが先である。
彼が僕に少し慣れたところで、家族写真と赤ちゃんの写真。それからお食い初めを撮って、また赤ちゃんを撮る。
ちゃんと予定しているわけではないけれど、撮影の流れのようなものがある。
ひと通り撮って、あとはごゆっくりお過ごしくださいと家族に挨拶して会食の部屋を出る。今日はスムーズにできたとほっとして。
赤ちゃんを撮るときに天井のダウンライトを消したのだが、終わって点けるのを忘れてきたけど、まあいいか。