宮島航路宮島桟橋 16:24
宮島は何度も撮影で来ているけれども、島の裏側(南側)の砂浜まで行くのは初めてである。
もっともGoogleマップでロケハンして、そこを撮影場所に選んだのは僕で、着付けをしたお店の車がなければ行くこともなかったし、たぶん再びそこに行くこともないだろう。
瀬戸内らしく、ほとんど波はなく、ただ青い海とその向こうの緑の島並みが見えるだけの砂浜である。
そこに至る道が狭くてカープの連続だったのは、同乗した新郎新婦に申し訳なかったが、およそ一般的な宮島のイメージとはまったく違うロケーションでとてもよかった。
朝から夏の陽射しがキツくて、白無垢の前撮りはたいへんだったろうと思うけれど、二人ともよく笑ってくれてありがたい。暑さも引っくるめて二人にとって結婚前のいい思い出になってくれたらいいなあ。
宮島には欧米系の観光客が押し寄せている。
和装から洋装への着替えの間、フェリー乗場の前のベンチで休憩していたら、隣のベンチに白人の若い男が座る。
しばらくすると、広場で鹿とわいわい言いながら写真を撮っていた別の白人家族がそこにやってきた。
英語で話していたのが聞こえたのだろう、同じ英語人である彼が話しかけると、家族の一人が「いい写真が撮れたんだよ見るかい」と彼の隣に座って、カメラのモニタを見せると、「ナイスだね」「だろ?」なんとも自然な会話が始まる。
少しく二人で盛り上がってから、「じゃあお先に」と家族連れはさらっと去っていき、しばらくしてベンチの彼もおにぎりを食べ終えてま立ち上がった。
文化の違いというのもあるだろうけど、日本人同士だと見ず知らずの他人にいきなり話しかけておしゃべりするということはあまりないので、僕は羨ましいような気持ちで彼らを見ていた。