尾道 17:36
夕方、食事を作る前に写真を撮ろうと家の裏手の坂道を上がる。
我が家の裏というか山側に一段上がったところにある家は一軒貸しの民泊をやっているのだが、もうずいぶんと誰かが泊まっている様子もなく、半ば空き家のようになっている。
その家の前を通りかかると、庭先が丈が1メートルを越す雑草に覆われている。
しばらく見ていなかったので、その変わりように驚く。
実際、自然の勢いというのはすごいもので、土地を放っておくとすぐに草が伸びる。
自然に囲まれた田舎暮らしは除草が欠かせないから、のんびりできない。
一ヶ月ほど前に、向いの長屋から一人転居して出て行ったその後の庭も、すでに草が伸び放題になっていて、人のいた痕跡もすぐに自然に上書きされるのだと思う。
雑草の生命力とはすごいものである。
草に覆われた空き家の庭を見ていると、藤子・F・不二雄の有名な短編漫画「みどりの守り神」という作品を思す。あながちSFとは思えない。いつかそれが現実になりそうな気がする。
もっとも作中では人類は滅亡しているから、緑に覆われた世界を見ることはかなわない。