奥羽本線大石田駅 21:14
「フィナーレです」というアナウンスのあと、大音響とともに三尺玉の大花火が夜空に開き、辺りを明るく照らして闇となる。
人々が足速に駅へ向かって歩き出す。今年も夏がひとつ終わった。
84歳になるおばあちゃんは「わたす一人からこんなに家族が増えてヨー」と嬉しそうに笑う。
おばあちゃんの孫三人にそれぞれ二人づつひ孫ができ、家族を連れて家に集まる。
子どもたちは上が11歳で下は6歳。男の子が4人いると当然ながらうるさいし常にわちゃわちゃしていて落ち着きがない。庭にビニールプールを出すと、すぐに服のまま飛び込んでずぶ濡れになって大騒ぎになる。
半分に割った竹が傾斜をつけて組まれて流しそうめん。ビニールシートが敷かれてスイカ割り。
これでもかとばかりに夏のイベントが登場して子どもたちは歓声をあげる。
なんとまあ贅沢な夏休みだろう。
子どもにとっての夏は特別だ。
遊んだ思い出は大人になっても残るもの。
木の年輪の、くっきりと濃い部分は夏から秋にかけて作られるという。
楽しい夏を過ごして子どもたちはまたひとつ大きくなる。