北海道阿寒郡鶴居村中久著呂 14:54

本日の撮影無事終わり。2件目は毎年撮っている家族写真。四人姉弟は家の芝生で転げ回って遊ぶ。芝生はテニスコートくらいある。村の中心部から約20km離れた原野の中の家。塾もなければ習い事もない。子どもにとっては何が良いのか。ここに来るといつも考える。

 

 
爽やかに晴れた空の下で子どもたちが水鉄砲を持って駆け回る。小さな兄弟はずぶ濡れだ。
 
「毎日こんな感じで」とママは言う。
 
真夏だからいくら濡れてもいい。短い夏は存分に楽しまないといけない。
 
子どもたちはどんどん大きくなって、長女ちゃんは小学4年生になった。
 
村の小中学校でさえ家から20km近く離れているのである。高校生になると子どもは村を出て下宿するようだ。
 
そうすると家族揃って暮らすのもあと5年ほどということになる。それもまた短い。
 


撮った自分が言うのもなんだけれど、毎年ひとつずつ歳を重ねてゆく家族写真はいいものだ。
 
家の芝生の向こうには葡萄畑があって、あとで写真を見返してみたら、葡萄の木も昨年より大きくなっているのがわかる。
 
葡萄は北見に送ってワインにするそうだ。お土産に一本いただいた。嬉しいなあ。

 
 
同じような毎日でも季節は巡り、子どもたちは大きくなってゆく。
 
写真になにか特別な意味があるわけではない。
 
撮らなければ残らない瞬間があるだけだ。
 
僕の写真は「作品」ではなく「作物」なのかもしれない。毎年変わらず同じように作って収穫する。
 
たまに条件がよければ「当たり」のときもあるだろう。ワインにも当たり年があるように。
 
 
北海道釧路市若松町 17:22 無事に車を返し終えた。これから空港までバスで行って今夜は東京に泊まる。

くしろバス釧路駅前バスターミナル 17:24 個人的に愛してやまないバスターミナルの島式ホーム。